富山駅まで戻ってきました。
ここからサブタイトルを「鉄道唱歌で行く北陸本線」と変えて、昨年春以来の鉄道唱歌の旅、1年ぶりに再開です。
富山は越中繁華の地
こゝよりおこる鐵道は
加賀越前をつらぬきて
東海道にであふなり
鐵道唱歌は新潟港から船で佐渡島へ渡り、その後直江津まで戻っています。
鐵道唱歌出版の当時（明治33年に初版が出版）、北陸本線は米原から富山までで、富山から直江津までは未開業でした。
代わりに沿岸航路があったのでしょう。船で富山の伏見港まで渡っています。
しかし現在、在来線の富山駅は「あいの風とやま鉄道」の駅となっています。
平成27年、北陸新幹線が開業し、並行在来線となる金沢～直江津間は、石川県部分が「IRいしかわ鉄道」、富山県部分が「あいの風とやま鉄道」、新潟県部分が「えちごトキめき鉄道」へと、それぞれ各県ごとに設立された第三セクターに移管されました。
しかしなんだろうね、最近設立された第三セクターの、このキラキラネームの会社名・・・
ちなみに北陸新幹線の福井延伸に伴い設立される福井県部分の第三セクターは、さらにキラキラ度が増して「ハピラインふくい」となるそうです・・・
むしろ純粋な民間企業である、平成27年に営業開始したWILLER TRAINSのほうが、営業上は「京都丹後鉄道」という正統派の名称を使っていたりする・・・
富山駅の改札口を西鉄のICカード「nimoca」で通り、ホームに上がります。
富山14時40分発金沢行きの鈍行列車
2両編成の電車、IRいしかわ鉄道所属のようです。
転換クロスシートの車内
JR西日本のものと同じ仕様です。
車掌さんが「青春18きっぷではご乗車できません」と放送します。
２両編成の電車ですが、しっかり車掌さんが乗務しています。自動放送は無く、車掌さんが肉声で案内をしています。
定刻に発車した電車は神通川にかかる鉄橋を渡ります。
藥に名ある富山市は
神通川の東岸
はるかに望む立山は
直立九千九百尺
平野の先に雪を抱いた山々が望めます
並行していた新幹線と別れていきます。
庄川にかかる鉄橋を渡り、
今日の早朝に着いた高岡駅まで戻ってきました。
ちなみにぼくは福岡市から旅行に来てますが、福岡市の代表駅は「博多」です。
「いするぎ」と読みます。難読駅の中でも最たるものとして知られています。
電車は石川県との境、倶利伽羅峠に差し掛かります。
日陰には残雪が見られます。
トンネルで倶利伽羅峠を越えていきます。
全長2467mの倶利伽羅トンネルは昭和30年に完成しました。
鐵道唱歌の時代（明治33年）に使われていた古いトンネルは、拡幅・改修されて国道8号の道路トンネルとして使われています。
ここであいの風とやま鉄道の路線は終わり、この先はIRいしかわ鉄道となります。
商業繁華の高岡を
すぎて福岡石動の
次に來るは津幡驛
七尾にゆかば乘りかへよ
加賀越中の境なる
倶梨伽羅山は義仲が
五百の牛に火をつけて
平家せめたる古戰塲
実際の地理では倶利伽羅峠を越えて津端駅に至るのですが、鉄道唱歌では逆転しています。編集上のミスでもあったのでしょうか？
津端駅
津幡七尾の其間
すぎゆく驛は八九箇所
邑智の潟の靑波に
さをさす舟も羨まし
七尾は能登の一都會
入海ひろく舟おほし
ちかき和倉の温泉は
町きよらかに客たえず
鉄道唱歌は津幡から七尾線に乗り換えて七尾まで行き、また戻ってきています。
七尾線の開通は鉄道唱歌出版の2年前の明治31年、当時は七尾鉄道という私鉄でした。七尾鉄道は明治40年に国有化されました。
終点、金沢、15時37分着。
津幡にかへり乘りかへて
ゆけば金澤ステーション
百萬石の城下とて
さすが賑ふ町のさま
名も兼六の公園は
水戸岡山と諸共に
かぞへられたる吾國の
三公園の其一つ
富山から金沢まで1240円、nimocaから引き落とされました。
柳みどりに花赤く
おちくる瀧の水白し
雲にそびゆる銅像は
西南役の記念碑よ
第九師團も縣廳も
皆此町にあつまりて
海の外までひゞきたる
その産物は九谷燒
では、金沢駅を出て歩いて5分ほど
ビジネスホテルの「ホテルリブマックス金沢駅前」
ここに今夜の宿を予約してあります。
フロントでチェックインし、宿泊料は3150円、カードで支払います。
2階の客室
普通のシングルルームでした。
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