鹿児島本線 大牟田~八代 令和6年12月

九州線唱歌で行く鹿児島本線 4

 

下関から始めた「九州線唱歌」の旅、

大牟田まで来ました。引き続き鹿児島本線を南下していきます。

 

ひとつ手前の銀水から入ってきた、大牟田11時21分発八代行き鈍行列車、
JR九州815系電車の2両編成

 

ロングシートの車内

 

九州線唱歌 汽車 三八

 

長洲過ぎつつ有明

海のあなたを見渡せば

溫泉嶽は靑空に

聳えて四千數百尺

 

 

実際には鹿児島本線からほとんど有明海は見えません

明治のころは見えていたのでしょうか

 

木葉駅

 

九州線唱歌 汽車 三九

 

十年役に官軍が

十七晝夜たたかいて

賊壘おとしし田原坂

木葉驛より二十町

 

「十年役」というのは明治10年西南戦争における田原坂の戦いのことですね

3月3日から3月20日まで、西郷軍と政府軍が激しい攻防を繰り広げました

 



田原坂駅

昭和18年に信号場として開設、昭和40年に駅となったものであり、九州線唱歌の時代には存在していませんでした

 

植木駅

 

九州線唱歌 汽車 四〇

 

山鹿の湯まで四里と聞く

植木を過ぎて忽ちに

來る都會は熊本市

市中におかるる六師團

 

昔は山鹿温泉へ行くのに植木駅から4里、16kmを歩いていったのでしょうか

現在、山鹿温泉へは熊本市内からバスで行く方が便利です

 

やがて熊本の市街地に入り、上熊本駅に到着します

駅前からは熊本電鉄熊本市営の市内電車が発着しています

 

熊本駅

乗客の大半が入れ替わります

 

九州線唱歌 汽車 四一 四二 四三

 

城は清正築造の

譽れ雄々しき跡なるを

兵火に罹りて今は唯

形見を殘す宇土

 

見めぐる加藤社、本妙寺

花岡山に水前寺

かへりに休む公園は

名も白河の下河原

 

噴火の烟絕間なく

雲居に眺むる阿蘇山

熊本市より道十里

遊心勃たり登山せん

 

阿蘇のほうから流れてくる白川を渡ります

 

宇土駅に到着

三角線が分岐します

 

九州線唱歌 汽車 四四 四五

 

宇土より三角半島を

貫く端は三角港

天草島は目の前に

語れば答ふるばかりにて

 

右に望むは有明海

島原半島程近く

左に見るは八代灣

不知火もゆるは秋半ば

 

三角線の開通は明治32年。作詞者の大和田建樹も三角線三角港まで行ったようですね。

 

 

有佐駅

 

九州線唱歌 汽車 四六

 

有佐驛より十里ほど

山奥深く分け入れば

平家の子孫そのままに

今も遺れる五家の莊

 

明治のひとは10里の道のりをどうやって行ったのでしょうか

 

 

そして終点、八代駅、12時53分着

 

乗ってきた電車

 

八代駅

 

九州線唱歌 汽車 四七

 

八代宮ある八代は

八代鮎の名產地

ゆあみを望む旅人には

日奈久温泉遠からず

 

九州線唱歌はこの先鹿児島まで行きますが、今回、ぼくはこの八代でいったん「九州線唱歌の旅」を中断します。

 

鉄道唱歌(明治33年)の時代は八代までしか鉄道は到達していませんでしたが、九州線唱歌明治42年)の時代には鹿児島まで到達しています。

ただしこの当時は現在の肥薩線が鹿児島へのルートであり、現在の肥薩おれんじ鉄道九州新幹線開業までの鹿児島本線)は昭和2年になって開通しました。

 

その肥薩線、令和2年(2020年)の水害により八代~人吉~吉松間が不通となっています。このうち八代~人吉間については2033年ごろまでに鉄道による復旧を行うことになりました。

しかし人吉~吉松間については復旧のめどは立っておりません。まあ被災前のこの区間の乗客は観光客か乗り鉄で、地元民はほとんど皆無だったし・・JR九州としてはこのまま廃止したいのが本音でしょう・・

 

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