カリバ旅行記

狩場宅郎のカリバ旅行記。温泉、鉄道、路線バスなど。

日田彦山線 代行バス 添田~夜明 令和3年11月

 572.1kmを170円で乗った話 4

 

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駐車場の奥に停まっている、9時0分発日田行き、日田彦山線代行バス。リアエンジンの小型車です。

運行は日田市の観光バス会社「藤山観光」に委託されています。

 

日田彦山線は平成29年の水害で被災して以来、ずっと不通の状態が続いています。

復旧をめぐりJRと福岡県、沿線自治体との間で協議が続けられてきましたが、結局、鉄道での復旧を断念し、BRT(Bus Rapid Transitバス高速輸送システム)での復旧を行うことが決まりました。

 

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日田彦山線の列車からは数人の乗客がバス乗り場に向かってましたが、その方々は代行バスではなく、英彦山に向かう添田町営バスを待つ登山客のようです。

ちょうど今頃、英彦山では紅葉がきれいでしょうね。

 

 

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車内。

地方で自治体が運営しているコミュニティバスなんかにによく使われている車体です。

 

日田彦山線代行バスにはワンボックスカーマイクロバス路線バスタイプの小型車

、そしてこの小型車と、いろんなタイプの車両が走っていました。

 

本来、貸し切り専業の観光バス会社がこんな車両を持つはずがありませんので、日田彦山線代行バスのために導入された車両でしょう。

もうすっかり代行輸送が板についてしまった、という感じです。

 

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バスは発車し、添田駅に停まっている、今乗ってきた列車の横を走っていきます。

乗客はぼくと、年配の男性の二人だけです。

 

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道の駅「歓遊舎ひこさん」

バスは敷地内に入って停車します。一人の女性客が乗り込んできました。

 

歓遊舎ひこさん駅は平成20年に道の駅に隣接して新設されましたが、平成29年の水害で列車は来なくなりました。わずか10年足らずの営業でした。

 

 

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永遠に列車が走ることのなくなった線路の横を走っていきます。

 

 

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彦山駅

ここで添田から乗っていた男性客が下りていきました。彼も英彦山の登山客だったようです。

 

駅構内ではBRT化の工事が進められています。

彦山~筑前岩屋駅間にある全長4379mの釈迦岳トンネルをバス専用道にしてBRTを走らせる計画です。

 

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日田彦山線は釈迦岳トンネルで一気に突っ走っていきますが、代行バスはつづれ折の道を山の上まで登ってまた下ります。そのため鉄道よりもだいぶ時間がかかっています。

 

今回「572.1kmを170円で乗った話」という旅ですが、572.1kmは鉄道の営業キロです。代行バスで実際に走った道のりを考えると、乗った距離はもっと伸びるでしょうね。

 

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道路沿線では紅葉が色づいています。

 

小石原焼の窯元の前をいくつかすぎて

 

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小石原焼の直売所もある「道の駅 小石原」の前を通り過ぎます。この辺りは旧小石原村の中心地です。

 

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「小石原庁舎前」停留所に停まります。

 

ここに本来、日田彦山線の駅はありません。乗客への便宜上設置されたものでしょう。

鉄道で言うと、国鉄時代の地方管理局が設置した「仮乗降場」のようなものでしょうか。

 

でも、釈迦岳トンネルにBRTが走るようになったら、この停留所はどうなってしまうのだろう・・・

 

 

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バスは今度は坂道を下っていきます。

 

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まだ水害の復旧工事で片側交互通行となっているところもありました。

 

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宝珠山村庁舎前」停留所、旧宝珠山村役場の前です。

ここも日田彦山線の駅は本来ありません。

 

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そして山を下りて日田彦山線の線路に並行して走るようになると、駅がなかった場所にいくつもの停留所が設置されておりました。

宝珠山駅大鶴駅間に「吉竹」「竹本」「沙羅前」、大鶴駅今山駅間に「迫」「方司口」「今尾」、今山駅夜明駅間に「小鶴」「上村」「祝原」

 

これらの停留所はBRT化を前にして新設されたものでしょう。

 

 

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そして夜明、10時16分着。

運転士さんにSUGOCAカードを見せて「久留米行きに乗り換えます」と言って降りました。

日田まで走っていくバスを見送ります。

 

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バスが去った後の停留所

道路との間にある安全地帯のようなものが添田方面のバス乗り場です。

 

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そこには立派なバス停の標柱が建っており、もはや代行バスではなく定期の路線バスといった感じ。

 

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石段を上った上が夜明駅です。

 

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夜明駅

 

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駅舎の横にある「夜明の鐘」

 

木槌で売ってみると「ゴーン」という鈍い音が響きました。

 

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ホームに出ると、久留米行きの特急「ゆふ」が通過していきました。

 

夜明駅を出る次の久留米行きは10時53分。まだ40分以上あります。

 

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跨線橋を渡って向かいのホームにわたってみます。

 

写真左の、駅舎に面した片面ホームが久大本線の久留米方面の乗り場です。

 

写真右のホームも片面ホームのように見えますが、実は島式ホームです。駅舎側が久大本線の日田方面の乗り場、反対側が日田彦山線の乗り場です。

 

 

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しかし日田彦山線の線路は背の高い雑草が茂っています。

 

 

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まだ日田彦山線ののりかえ案内板は立ってますが、

 

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ホームの端では、赤さびた日田彦山線の線路が久大本線から分かれています。

 

 

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かつては北九州市から天ケ瀬に直通する急行列車も走っていた日田彦山線ですが、もうこの線路に列車が走ることはありません。

 

572.1kmを170円で乗った話 について

 

≪572.1kmの行程≫

 

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≪参考リンク≫

SUGOCA 運賃計算

藤山観光バス

西日本新聞 JR日田彦山線、BRT延伸を決定

JR九州 災害に伴う運行状況のご案内