香椎線 5791C 香椎~長者原 / 篠栗線 5649H 長者原~吉塚 令和3年11月

572.1kmを170円で乗った話 11

 

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博多から14時間あまりかけて香椎駅までたどり着きました。普通にまっすぐ来たら14分程度の距離です。

 

ここからさらに回り道して吉塚駅を目指します。

 

 

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20時39分発、香椎線の宇美行き鈍行列車。

蓄電池電車のBEC819系。

 

香椎線は全線非電化ですが、香椎駅停車中に充電を行い、線内は蓄電池にためた電気で走行します。

 

 

 

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ロングシートの車内

 

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香椎神宮駅

 

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舞松原

電車から降りた乗客が家路に向かっていきます。

 

香椎線はもともと宇美・志免炭鉱の石炭を西戸崎港まで輸送するための運炭線でした。このため国鉄末期には旅客列車が一日数本走るだけの閑散路線となっていました。

 

民営化後、新駅の設置や列車の増発などが次々とおこなわれて通勤通学客の利用が増加し、現在は日中も30分おきの運行を行っています。

 

 

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土井駅

 

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そして長者原駅20時53分着。

ここで篠栗線に乗り換えます。

 

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香椎線は高架上にあり、地上に篠栗線のホームがあります。

 

もともとここに駅はありませんでした。

香椎線を建設したのは博多湾鉄道、篠栗線を建設したのは九州鉄道で、もともと別会社の路線でした。香椎線昭和19年に、篠栗線明治40年に国有化されましたが、国有化後も立体交差はしているが駅はない状態が長く続きました。

 

地元住民の要望により駅が開設され乗り換えができるようになったのは民営化直後の昭和63年のことです。

 

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篠栗線のホームに降りてきました。

 

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そこに入ってきました、長者原21時4分発の博多行き鈍行列車。

 

813系電車ですが「福北ゆたか線」仕様で、鹿児島本線日豊本線を走る赤ら顔の813系とは印象が違います。

 

JR九州では篠栗線筑豊本線という正式名称で呼ぶより「福北ゆたか線」と称することが多くなっています。

 

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転換クロスシートの車内。

 

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原町駅

 

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柚須駅

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そして長者原駅から3駅目が吉塚、21時18分着。「572.1kmを170円で乗った話」、終点です。

 

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博多の隣駅、吉塚

博多からは1.8km、普通に行くと所要時間は3分です。

 

これを572.1kmの道のりをたどり、15時間かけてたどりつきました。

 

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改札口に向かいます。

 

ところで、博多で入るときは自動改札機にSUGOCAカードをかざして入りましたが、吉塚駅を出るときは自動改札は通れません。

 

ICカードで自動改札を通ると、乗車駅のほかに入場時刻もカードに書き込まれます。そして不正乗車を防ぐため、ある一定時間を過ぎると出場できなくなってしまうのです。

その時間がどれくらいなのか公表はされていませんが、1.8kmを15時間というのはさすがにどう考えてもアウトでしょう。

 

ただし制限時間を過ぎたときも駅員さんに申し出て、その理由をきちんと説明できればOKです。別に大回り乗車をせずとも、改札内駅ナカ商店街で買い物してた、食事してたというのも正当な理由となり得ます。

 

と、いうわけで右端の有人改札に行き、駅員さんにSUGOCAカードとあらかじめ用意しておいた路線図を見せて

「博多からこういう経路をたどってきました」

といいました。

 

別に駅員さんは驚いたり、とやかく言ったりはしません。こういう乗り方をするのはぼくだけでなく、一定数は居るようです。

淡々と事務的にカードから170円の引き落とし処理をして、カードを返してくれました。

 

 

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吉塚駅

 

ちなみに、この旅の途中で購入できるものは、自動販売機の清涼飲料くらいしかありません。

主要駅である久留米・熊本・大分の各駅も、改札内には売店・立食そば・駅弁屋などの類は一切ありません。ICカードで乗車中は改札を出られません。

添田・夜明の両駅では代行バス乗り換えのため駅の外に出られますが、どちらも田舎の駅で、駅前にはコンビニや商店などはありません。

 

この行程では日の出前から夜遅くまで列車に乗り続けることになりますので、もしこの旅をしようとお考えの方は、食料は持参のうえで実行されてください。

まあ、こんな旅をすること自体、まったくおすすめしませんが・・・

 

では572.1kmを170円で乗った話、ここでお開きにさせていただきます。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

 

572.1kmを170円で乗った話 について

 

≪572.1kmの行程≫

 

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