出雲の古代史跡を訪ね歩く 9
東松江駅から延々と歩き続け、八重垣神社までやってきました。
手水舎
ここも例によって柄杓は撤去されており、竹筒から直接水をすくって清めます。
神門を通って境内へ
八重垣神社の御祭神巣は素戔嗚尊(スサノオ)と稲田姫命(いなだひめ、ただし以後は古事記に従ってクシナダヒメと表記します)。
ほかに大己貴命(オオナムヂ)と青幡佐久日古命も祭ってあります。
青幡佐久日古命というのは聞いたことないですが、八重垣神社のサイトには「佐草宮司先祖神」と説明してあります。
高天の原から追放され、出雲国に降りたスサノオ。そこでヤマタノオロチに食われるところだったクシナダヒメを救い、二神は夫婦となりました。
ヤマタノオロチを退治するとき、スサノオはこの地の佐久佐女の森に、大杉を中心に「八重垣」を作り、クシナダヒメを隠しました。
そしてヤマタノオロチを退治し夫婦となった二神は、この地に宮を作ったということです。
もっともこの物語は、古事記の話の流れとは少し違っています。
古事記ではスサノオはクシナダヒメを櫛に変えて自分の髪にさしています。また宮を営んだ地も須賀の地とされています。
まあ、伝承ですから、いろんな筋書きがあるのでしょうね。
拝殿
手を合わせます。
奥の本殿
本殿向かって右側に二つ並んだ末社。
写真左が「脚摩乳神社」(あしなづちじんじゃ)。御祭神はクシナダヒメの父神、アシナヅチです。
写真右は「伊勢宮」。御祭神はスサノオの姉神、アマテラスですね。
本殿向かって左側にも末社がふたつ並んでいました。
写真右が「手摩乳神社」(てなづちじんじゃ)。御祭神はテナヅチ、クシナダヒメの母神です。
左は「貴布禰神社」(きふねじんじゃ)、御祭神は高龗命、たかおかみのみこと、と読みます。日本書紀に別伝として収録してある一書(あるふみ)に、伊弉諾が妻イザナミを焼き殺したカグツチを斬ったときに生まれた神であると記載されています。
境内にある石碑
スサノオが詠んだ、日本最初の歌ですね。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」
石碑の裏側
宝物収蔵庫
この中に「神社界最古の壁画」が収納してあるそうです。拝観料は200円。
中には入らずに
境内の一角にあった末社に向かいます。
「山神神社」、御祭神は山の神、オオヤマツミ。
アシナヅチの父神です。すなわちクシナダヒメの祖父ということになりますが・・・
なんじゃ、神社の下とか、横ににょっきり立ってるものは・・・
公式サイトによると
「以前は佐草の山中、金起の旧街道沿いに祀られてあったものを明治頃に八重垣神社の境内に遷された神社です。
山・農耕の守護神、夫婦和合を始め、昔より安産・授児子宝及び下半身の病に霊験あらたかとして地元はもちろん、遠方より奇岩や御礼に参拝され、手作りの男根等を供える風習は現在でも続いています」
だそうです。
社日社
五角柱に神名を刻んだ石柱(社日塔)が柱と上屋根で守られています。
山上神社の隣にある「夫婦椿」
ではここから「奥の院 鏡の池」へ向かいます。
スサノオが八重垣を作りクシナダヒメを隠したという佐久佐女の森です。
境内東側の門を通って石段を下りていきます。
ギリシア生まれのパトリック・ラフカディオ・ハーン、日本に帰化して小説家となった小泉八雲もこの地を訪れていたようですね。
施設名 | 八重垣神社 |
所在地 | 島根県松江市佐草町227 |
電話 | 0852-21-1148 |
FAX | |
営業時間 | |
定休日 | |
料金 | 境内無料 |
交通 | JR松江駅より松江市営バス八重垣線に乗車約20分、八重垣神社停留所下車すぐ |
バリアフリー情報 | ☆境内は段差ほぼ無く、舗装されている。 ☆鏡の池へは神社裏の公道より入ることができる。段差はほぼ無いが、舗装はされていない |
駐車場 | 有 |
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八重垣神社