カリバ旅行記

狩場宅郎のカリバ旅行記。温泉、鉄道、路線バスなど。

黄泉への入り口

出雲神話の伝承地を訪ねて 17  /青春18平成30・31年冬紀行 5日目

 

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駐車場の端、ここが黄泉の国への入り口のようです。

 

 

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この先、道は二手に分かれます。
右は細い山道、左にはコンクリート舗装の歩道が続いています。

 

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左に進み、ため池の築堤の上を行くと

 

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注連縄が張られた二本の石柱。この先、黄泉の国への入り口があるようです。

 

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石碑には「神蹟 黄泉平坂 伊賦夜坂 傳説地」と彫ってあります。昭和15年に建立されたものだそうです。

 

 

日本神話


愛する妻イザナミを黄泉の国から連れ戻そうと迎えに行ったイザナギイザナギは「帰ってこい」と呼びかける。イザナミは「黄泉の王と相談して来ます。その間絶対に私の姿を見ないでください」といった。

 

イザナギは待った。しかしイザナミは出てこない。
「もう待てない、この手でイザナミを救い出してやる!」
イザナギは戸をけ破り、中に入った。

 

そこで見たイザナミの姿・・・体中腐り、蛆が沸いている。その体には小さな雷神が取りついてわめいている・・・

 

さすがのイザナギもこのすがたには震え上がり、踵を返して逃げ出した・・・

 

 

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石碑のそばに立っている気には「やまももの木」と標識が括り付けられています。

 


日本神話

 

自分の醜い姿を見られたイザナミは怒った。

 

すぐに黄泉の国の鬼女に命じて追わせた。イザナギが髪を結んでいるカズラをほどくと山ぶどうがなり、竹の櫛を投げるとそれがタケノコに変わった。鬼女がそれをむしゃむしゃ食っている間にイザナギは逃げていった。
イザナミは次に自分の体に取りついていた雷神に追わせる。イザナギは剣を後ろ手に振りながら、やっとのことで黄泉比良坂まで逃げてきた。

 

坂のわきに桃が生えていた。桃を3個ちぎり投げると、雷神は退散していった。

 

「ああ、桃よ、ありがとう。私を助けてくれたように、日本の民が苦しんでいるときは助けてくれよ」と、桃の木をさすりながら言った。

 


桃は支那では古来より霊力のある果物とされ、それが日本に伝わって神話になり、桃太郎の昔話もここからきているそうです。

 

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そして広場の一番先には、岩が据えられています。

 

 

日本神話

 

イザナミはついに、自らイザナギを追ってきた。


イザナギはそばにあった、千人がかりでも引けないような大岩に手をかけると、渾身の力でそれを押して、黄泉比良坂への道をふさいでしまった。もう通れない。

 

イザナミが叫ぶ「ああ、愛するわが夫よ、こんな仕打ちをなさるのなら、あなたの国の民を一日1000人、私の国に呼び寄せます!」

 

それを聞いたイザナギは、静かに、しかし力強く言った「愛する妻よ、ならば私の国では一日1500人の赤子を産んで見せる」

 

こうして今に至るまで、一日千人の人が亡くなり、千五百人生まれるようになったという。

 


・・・もっとも現在の日本は少子高齢社会となり、2017年度の合計特殊出生率は1.43と、神話とは逆の方向に進んでいます。

 

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岩の向こうに現世の人間が行くことができない死者の国が続いているわけですね。

 

施設名 黄泉比良坂
所在地 島根県松江市東出雲町揖屋
電話 電話 0852-52-2428(東出雲町観光物産協会)
開園時間 入場自由
料金 入場料無料
アクセス JR揖屋駅から徒歩20分
松江・米子駅から日ノ丸バス平賀停留所下車徒歩5分


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≪リンク≫

 

黄泉比良坂 松江観光協会

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