出雲神話の伝承地を訪ねて 8 /青春18平成30・31年冬紀行 5日目
出雲大社の駐車場から、土産物店のわきを抜けて境内に向かいます。
手水舎で禊をして
鳥居に拝礼し、境内に入ります。
出雲大社拝殿。左右非対称の造りになっています。
そしてこの奥にあるのがオオクニヌシが鎮座する本殿です。ここからは屋根の先しか見えませんね。
日本神話
アマテラスの命を受けて稲佐の浜に降りてきたタケミカヅチは、剣を逆さに立ててその刃先にあぐらで座り、オオクニヌシに日本国の主権を譲渡するよう迫った。
オオクニヌシは「二人の息子と相談します」と答えた。
オオクニヌシの子の一人、コトシロヌシはタケミカヅチの姿におびえてアマテラスの仰せに従うといった。もう一人の子、タケミナカタは反対しタケミカヅチに決闘を挑むが、はるか諏訪まで投げ飛ばされて降伏した。
ここにきてオオクニヌシは
「日本の国は命ぜられるままに献上し、私は引退いたします。ただ、私の引退後の住まいとして、天に高々とそびえる宮殿を作っていただきたい。そうすれば私は日本の統治からは退き、息子のコトシロヌシが出雲の神々を従えて末永く天の御子にお仕えいたします」といった。
ここでオオクニヌシが出した降伏条件が受け入れられ、オオクニヌシの宮殿として建てられたのが出雲大社です。
この後、アマテラスの孫・ニニギが日向の地に降臨し、神話の舞台は出雲から日向に移ります。
古代の出雲大社は、それこそ天にそびえる、こんな姿だったそうです。
では、本殿の後ろに回ってみます。
この長細い建物は本殿の左右に一つずつあります。10月の神無月、出雲では神在月、全国から集まった八百万(やおよろず)の神様が泊まる宿舎だそうです。
塀の向こうに3つ見える建物、
手前がキサガイヒメ・ウムガイヒメが鎮座される天先社です。
真ん中に見えるのがオオクニヌシの妻であるスセリヒメが鎮座される御向社です。
その奥に見えてる高い屋根がオオクニヌシの鎮座する本殿です。
キサガイヒメ・ウムガイヒメが鎮座される天先社。
話は国譲りの前、因幡の白うさぎの後日談に戻ります。オオクニヌシがまだオオナムチと名乗っていたころです。
日本神話
サメを騙して皮をむかれた因幡の白うさぎ。オオナムチに助けてもらう。
オオナムチの異母兄達はヤガミヒメに求婚するが、ヤガミヒメは「わたしはオオナムチ様と結婚します」と言った。
ヤガミヒメをオオナムチに奪われたオオナムチの異母兄たちは、オオナムチを殺そうと「赤いイノシシを捕まえろ」とオオナムチに命じ、山から真っ赤に焼いた岩を転がりおとした。赤いイノシシと思ったオオナムチは岩を正面から受け止め、大やけどを負って死んでしまった。
オオナムチの母・サキクニワカヒメは嘆き悲しみ、天に昇って造化三神の一人、カミムスビに生き返らせてもらうよう訴えた。カミムスビは憐れんでキサガイヒメ・ウムガイヒメをオオナムチのもとに遣わした。
キサガイヒメは自らの貝殻を削り、それをウムガイヒメの乳で溶いてオオナムチに塗った。
するとオオナムチのやけどは治り、息を吹き返して元の立派な男神の姿に戻った。
キサガイとは赤貝のこと、ウムガイとは蛤のことです。古代では貝の煮汁が外用薬として使われていたそうです。
オオクニヌシの妻、スセリヒメが鎮座される御向社。
日本神話
異母兄たちに命を狙われたオオナムチは、母神の勧めにより根の国に行き、そこに隠居している自分の6代前の先祖、出雲の英雄スサノオのもとに身を寄せることにした。
スサノオの宮殿を訪ねていったオオナムチは、宮殿から出てきたスサノオの娘、スセリ姫と目が合い、一瞬にして互いに恋に落ちてしまう。
スサノオはオオナムチに並々ならぬ霊力を感じ、この男を試そうと様々な試練を与えた。スセリヒメはオオナムチを助け、オオナムチは試練をことごとく乗り越えていった。
ある日、スサノオが寝たすきにオオナムチはスセリヒメを連れて逃げ出した。気づいたスサノオは急いで追ってくるが、オオナムチとスセリヒメは現世まで逃げ込んだ。もう、スサノオは追ってくることはできない。
ここにきてスサノオは大笑いしながら言った
「わっはっは、こいつは愉快だ。おい、オオナムチ、お前はこの根の国で数々の試練を受けて、今までにない力を持っているはずだ。その力があればお前の異母兄など簡単に倒せるだろう。お前はこれからオオクニヌシと名乗るが良い。スセリヒメを妻にして、出雲の王として、日本の統治者として君臨するが良い!わかったか、この野郎!」
こうしてオオナムチはオオクニヌシと名を改め、出雲を平定し、スセリヒメと幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし・・・
ん?・・・でも、うさぎによって結ばれた因幡のヤガミヒメはどこ行ったのかしらん?
オオクニヌシの鎮座する本殿
ぐるっと回ると、途中にテントが張られてました。
本殿の中で御神座は西向き、つまりオオクニヌシさまは拝殿から参道へ続く南側ではなく、横向きに西側に向かってご鎮座なさっているので、こちらが神様と向き合う正面というわけですね。
なんか、ややこしい・・・
そんなこんなで本殿をぐるっと一周して元の拝殿前に戻ってきました。
鳥居をくぐって境内から外に出ます。
電話 0853-53-3100
参拝時間6時~20時(11月~2月は6時30分~20時)
拝観料無料
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