スサノオの足跡を訪ねて 8 / 青春18平成31年春紀行初日
大東駅前行きのバスが来ました
乗り込みます
10分ほどで出雲大東駅に着きました。11時26分着。
ここからJR木次線で出雲横田まで移動します。次の列車は11時41分発、バス・木次線ともに本数が少ない中で、15分という絶妙な乗り継ぎ時間です。
回送されて行くバスを見送ります
駅舎内に出札窓口がありました。
ぼくは青春18きっぷを持ってますが、これは明日使うので、今日は普通運賃を払って列車に乗ります。
窓口に行き「出雲横田まで」と言いました。
こーやって有人窓口で短距離の乗車券を買うの、ずいぶん久しぶり。
今はたいていICカードで乗車券買わずに改札通るか、買うにしても自動券売機か、そういった設備も無い駅は無人化されてワンマン運転だからなー
まさか硬券は無かろうが、それでなくても印刷された常備券とか出てくるかも・・・と期待しましたが・・・
女性の窓口係の方(JRの駅員ではなく委託の職員のようです)はキーボードを操作し、出てきたのはなんの変哲も無い、ライトブルーのJR地模様ロール紙に印字された乗車券でした。
ホームに出ます
木次線の各駅には、神話にちなんだ愛称がつけられています。
この出雲大東駅の愛称は「神阿多津姫命(かむあたつひめのみこと)」だそうです。
カムアタツヒメというより別称の「コノハナサクヤヒメ」と言う名のほうが知られています。皇室の祖先でアマテラスの孫であり、高天原から日本に降臨したニニギの嫁さんとなった女神です。
コノハナサクヤヒメの父オオヤマツミは、天孫のニニギから自分の娘が見初められたことを喜び、姉のイワナガヒメと一緒にニニギのもとに送りました。しかしイワナガヒメは醜い容姿だったため、ニニギは送り返したそうです。
オオヤマツミは「イワナガヒメには岩のように長く続く命を、コノハナサクヤヒメには花の咲くような華やかな繁栄を願って送り出した。しかしイワナガヒメを返されコノハナサクヤヒメだけをとどめ置かれたので、天の御子の命は花のように短いものになるだろう」と言いました。
こうして皇室は天の神の子孫でありながら、短い限られた命となったそうです。
今上天皇は85歳、この歳まで熱心にご公務に取り組まれるお姿には頭が下がります。しかしニニギ以来の限られた寿命には抗えず、来月末でご譲位されますね。
11時48分発備後落合行き鈍行列車、JR西日本キハ120形気動車2両で入ってきました。もっとも後ろの車両は締め切りで乗れるのは前一両だけです。
車内はロングシート、また運転台かぶりつきです。
雨の中、列車は出発します。
ほどなく木次駅
列車はだんだん山中に分け入っていきます。
下久野駅、愛称は「動動」と書いて「あよあよ」と読むそうです。
調べてみると、出雲国風土記大原郡条の阿用郷に地名の伝承について記述がありました。
男が田を耕しているときに一つ目の鬼が出てきて男を食べた。食べられるとき男は「あよ!あよ!」と叫んだのでこの地を阿欲(あよ)と言い、後に字を阿用と改めたそうです。
こちらは出雲国風土記仁多郡条の三澤郷にオオクニヌシの息子アジスキタカヒコについての伝承を記述してあるようです。
亀嵩駅、愛称は「少彦名命」、駅の東南にスクナヒコナを祀った湯野神社があるそうです。スクナヒコナはオオクニヌシと一緒に日本の国土造営を行った神様です。
雨が降る中列車は進み
出雲横田駅に到着します。時刻は12時52分。
ここで降ります。列車は後ろの車両を切り離し、13時9分に備後落合に向けて発車します。
駅の愛称は「 奇稲田姫」、ここはクシナダヒメの出生の地と言われています。ヤマタノオロチの餌食になるところをスサノオが救い、その後スサノオの嫁さんとなった女神です。
改札口横のクシナダヒメ象の写真。
ホーム側から見た駅舎、改札口の上にも注連縄が張られています。
出雲横田駅。クシナダヒメ出生の地に建てられた稲田神社を模しているそうです。
前<<< 海潮温泉 海潮荘
次>>> 産湯の池・笹の宮
≪過去レポート≫
≪リンク≫