カリバ旅行記

狩場宅郎のカリバ旅行記。温泉、鉄道、路線バスなど。

とさでん交通 伊野線 朝倉~伊野



朝倉停留所に停車中、対向の電車と行き違います。

ところで昔、私が大学生のころ、この路線に乗った時、対向列車とタブレットの交換をしてました。

タブレットと言っても小型のコンピュータではないですよ。そんなの30年前の大学生のころ、影も形もなかった。

このタブレットは単線区間での正面衝突を避けるための円盤状の物体で、四角や三角、円形などの穴があいてます。列車の行き違いを行う駅と駅との間に決まった一つのタブレットが設定してあって、その区間内ではそのタブレットを持った列車しか侵入してはならない、とされています。こうして上下列車が同時に入ることを防ぎ、正面衝突する事態を避けるものです。
昔は準幹線クラスの路線でもよく見られました。30年前の段階でもまだ各地に結構残っていましたが、路面電車タブレット交換はさすがに珍しく「へえ~~ちんちん電車でねー」とびっくり、感心したものでした。
しかし今では自動信号に切り替えられ、ほとんど見られません。

ここ、とさでんでも、さすがに今は自動化されているだろう・・・と思ってたら(゚д゚)!

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対向電車は、運転台かぶりつきをしていた私の目の前で止まりました。と、運転士さんが立ち上がって、窓を開けたと思ったら・・・
対向電車の運転士さんから、運転台の窓越しに受け取ったのは、そのタブレットが入ったリング状のケース!

いまでもやってたんです、タブレット交換!

30年前との違い、
昔は停留所に職員が配置されていて、その職員立会いの下にタブレット交換をしていたように記憶しています。今は停留所に駅員さんはいません。
代わりにタブレットには携帯電話、のような通信機が取り付けてあります。こちらの運転士さんはその通信機を介して、指令所にタブレットを受け取った旨伝えていました。タブレットを今でも使いつつ、ほんのちょっとだけ合理化してるんですね。

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で、これが受け取ったタブレットケースと、通信機。タブレットそのものは運転台のホルダーに突っ込んであるでっぱりの部分に収納されています。

そして電車は進みますが、そのうち道路から分かれます。と言ってもずっと道路に沿って走ります。

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こんな感じ・・・これって専用軌道(鉄道専用の線路)というのだろうか、併用軌道(路面上の線路)なのだろうか・・・

道路わきの商店や住宅に入るときは必ず踏切を渡ります。踏切には一部警報機がついているところもありますが、たいていは何にもありません。
車が急に出てきて電車が警笛を鳴らして減速することもあります。これはこれで危険だわ・・・

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そのうちまた線路が二股に分かれて、電車が止まっていました。ここで行き違いをするようです。行き違いとゆーことは、ここでタブレットを交換するとゆーことです。

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果たして電車は近づき

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開いてた窓から運転士さんは、対向列車の運転士さんにタブレットを手渡し、別のタブレットを受け取りました。これにも無線機が取り付けてあり、運転士さんは指令所に報告して受け渡し完了です。

ここは列車交換のためだけに設けられた信号所の様で、客扱いはせずにすぐに発車しました。

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電車は終点・伊野に向かって進んでいきます。

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終点・伊野が近づきます。


ここは終着駅のはずだが、なんか、伊野停留所から写真右側に別れる線路があるな・・・なんだろう。

そして伊野停留所着。ここは既に高知市ではなく、吾川郡伊野町(あがわぐんいのちょう)にあります。とさでんの電車は伊野町高知市・南国市の3市町をまたいで走ります。

そして伊野着。降車場所は安全地帯も何もない道路上でした。

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今乗ってきたバス窓・コカ・コーラの電車。

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降車ホームはありませんが、待合室と乗車ホームは設置してあります。


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ホームの先で線路は途切れます。


ところで、さっきの、駅に入る手前から分岐する線路。もっとも分岐する部分、ポイントが撤去されアスファルトでふさがれてもはや電車は入れなくなっています。
その線路をたどっていくと

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駐車場で線路は途切れました。昔この場所に車庫でもあったのでしょうか。

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電車が発車した後のホーム。

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