はかた号で関東へ 1
6月終わり頃のある日の夕刻、博多駅に隣接する博多バスターミナルまでやってきました
高速バスが出ているバスターミナル3階の36番ホーム
通常は鹿児島行きの高速バスがここから出ていますが、1日一本だけ、はるばる東京の新宿まで行くバスが出ています
その名も「はかた号」
今日はこれに乗って関東を目指して行きます
はかた号は福岡と東京とを結ぶ、走行距離1097km、所要14時間39分の、全国で最長距離を走る路線バスです(旧ツアーバス系の中にはさらに長い距離を走るものもあります)
平成2年に西日本鉄道と京王帝都電鉄(平成10年に京王電鉄に社名変更)の共同運行で運行開始。当初は一日2往復走っていました。
平成11年に京王電鉄が撤退し西日本鉄道の単独運航となり、一日1往復の体制となりました。
この経緯から現在、東京側では京王電鉄バスが乗車券の予約・発券、車両整備、乗務員休憩等のサービスを提供しています
そこに入って来た新宿行き「はかた号」
降りて来た運転士さんに乗車券を渡して乗り込みます
車内は前2列、4席が「プレミアムシート」
前後は完全に壁で区切られています。通路との間はカーテンですが、天井から足元まで完全に遮る事ができ、ほぼ個室のような感覚です
そして後方は3列独立シートの「ビジネスシート」
はかた号は運行当初は通常の夜行バス仕様でしたが、平成21年にダブルデッカー車を導入し、この時「プレミアムシート」「ビジネスシート」「エコノミーシート」という航空機のような三等級制となりました
平成26年に通常のハイデッカー車に変更されてエコノミーシートが廃止される一方、プレミアムシートは個室感覚の仕様に変更されています
で、ぼくはプレミアムシートの1A席、最前列左側の席を取っております
「はかた号」のプレミアムシート
毛布も備え付けられております
スリッパ、SOSボタン
ゴミ箱も備え付けられています
容量はそんなに大きくないですが
ハンガーまで備え付けられています
今は夏場なので使いませんでしたが、寒くて着込む冬場には重宝しそうです
通路とを仕切るカーテン
閉めると完全に視界は遮断され、ほとんど個室のような感覚となります
カーテンの上には荷棚がありました
トイレの位置は通常の夜行仕様のバスと同じ、進行方向右側の中央やや前寄りにあります
通常の夜行仕様バスを改造してプレミアムシートの個室を設ているようです
テーブルを引き出してみましたが、水平で固定できずに傾いてしまいます
ロックが壊れているんだろうか・・
そういえば、事前に個室内にワイヤレス携帯充電器なるものがあるとの情報を得ていましたが、それらしきものが見当たりません
また、シートのレザーにはひびが入り、網ポケットはゴムが伸びてだらしなく垂れ下がり、カーテンの端は擦り切れています
はかた号の車両は令和2年に導入された車両が使われているはずですが、3年しかたっていないにしては劣化が目立ちます。
おそらくは車検か何かで通常の車両が使えず、予備車としていた一世代前の車両を代走させているのでしょうか
座席にはシートヒーターやマッサージ機能までついているそうです
今は6月、ヒーターなど用はありませんが・・
18時40分に博多バスターミナルを出発し、福岡市内を走ります
外は雨が降っていました
6月の日が長い季節とはいえ、外はまだまだ明るい
夜行バスでこんな明るいうちに出発することはそうありません。さすが、日本最長の路線バス!
前を見ると、壁で仕切られていますが、
スイッチを操作すると、壁の一部が透けて前が見えるようになりました
なかなか芸が細かいな・・・
やがて、西鉄天神バスターミナルに入ります
ここで数人の乗客が乗り込んできました
天神バスターミナルを出て、再び雨の福岡市内を走ります
はかた号には運転士が二名乗務しています
そのうち一人の乗務員が車内を周ってきて、パック入りのお茶とパウダーシート、アイマスクを配っていきました
お茶は明日の朝にでも飲むとしましょう
パウダーシートもいつか使うこともあるかな
でも、アイマスクはぼくは使いそうにないな・・
バスは福岡都市高速道路に入り、博多湾を見ながら走っていきます
次>>> はかた号 博多バスターミナル~バスタ新宿 中編 - カリバ旅行記 (hatenablog.com)
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