宮地岳線を行く 1
緊急事態宣言も解除され、街にも少しずつ日常が戻りつつある6月のある平日、
ここから歩くこと20分ほど
セブンイレブン・博多千代5丁目店、
はま寿司・博多千代店、
その後ろには大きなマンション、
特に珍しくもない普通の街角ですが・・
ここ、西鉄宮地岳線の西鉄博多駅、後に福岡市内線の千鳥橋電停の跡なんです。
博多湾鉄道汽船がこの区間、新博多~和白間の鉄道線を開業させたのが大正13年。その後、和白から先の延伸開業、戦時統合による西日本鉄道の発足を経て、新博多は西鉄博多と改称され、西鉄宮地岳線として西鉄博多~津屋崎間の鉄道線が運行されてました。
西鉄博多(新博多)があったこの場所は、国鉄博多駅や天神(福岡の中心街)とは離れれています。福岡の都心部へは軌道線(市内電車)が接続して運行していました。
これでは都心部に出るためには西鉄博多で乗り換えなければならず不便です。なので乗客の流動実態を考慮し、昭和29年、西鉄博多~西鉄多々良(にしてつたたら)間を市内電車規格に改造して市内線に編入し、福岡市内線の専用軌道区間となりました。
その後、何度かの駅名改称を経て西鉄博多は千鳥橋停留所、西鉄多々良は貝塚駅となっています。
ところが昭和54年、福岡市内線廃止。この時旧宮地岳線の専用軌道区間(千鳥橋~貝塚間)も一緒に廃止されてしまいました。
宮地岳線はその後は貝塚~津屋崎間を運行してましたが、平成19年に部分廃止され、今では貝塚~西鉄新宮間を貝塚線と名を改めて運行しています。
西鉄博多(新博多)駅・千鳥橋電停の跡地はその後、西鉄バスの営業所として使われていましたが、それもいつしか廃止されています。
この駐車場をたどって先のほうまでいくと
駐車場の先から延びる道路
これがもしかして軌道跡か・・・なんて想像しますが、確証はありません。
歩道上の謎の構造物
もしかして電停の安全地帯跡?・・・でも、なんか違う感じ・・わかりません。
そんな感じで、昔、駅や電停があったとはっきり示すものは、何一つありませんでした。
片側3車線の広い国道3号線を横断して
電停の名称のもととなった「千鳥橋」
橋を渡っていくと、毎年、大相撲九州場所が開かれる九州国際センターや、福岡国際会議場、釜山への航路が発着する博多港国際ターミナルに至ります。
宮地岳線を敷設した博多湾鉄道が、ターミナルを都心ではなくこの地に置いたのは、この御笠川に鉄橋をかけてわたることができなかったためとも云われます
では、今日これから、宮地岳線をたどって津屋崎まで行こうと思います。
そこに天神のほうからやってきた貝塚駅行きのバス。
時刻表では8時9分発ですが、3分ほど遅れてきました。
ノンステップの大型バス。
幅の広い国道3号線を進みます。
西鉄宮地岳線・福岡市内線専用軌道の跡地の一部はバス専用道路となっていますが、千鳥橋から貝塚駅に行くバスは専用道路は使わず、国道3号線を通っていきます。
筥崎宮の前を通り過ぎていきます。
そしてこの交差点を折れるとすぐ終点、貝塚駅。
千鳥橋からは約10分の道のりでした。
西鉄のICカード「nimoca」で190円の運賃を支払ってバスを降ります。
待機場に回送されていくバスを見送ります。
降りたところの降車専用停留所。
道路向かい、駅の出入り口横が乗車専用の停留所となります。
貝塚駅。
写真向かって右側に福岡市営地下鉄ホームがあり、左側に西鉄貝塚線ホームがあります。両線とも地平にあり、頭端式ホームが向かい合うように設置されています。
地下鉄と西鉄は同一平面上で乗り換えができるようになっています。
もともと地下鉄と西鉄は直通運転をする予定でした。今でもその計画はありますが、種々の事情により実現は難しそうです。
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