カリバ旅行記

狩場宅郎のカリバ旅行記。温泉、鉄道、路線バスなど。

西鉄貝塚線 貝塚~西鉄新宮

宮地岳線を行く 2

 

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貝塚駅西鉄改札口。

西鉄ICカードnimoca」で中に入ります。

  

 

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 黄色い車体に赤帯をまいた西鉄600形電車

西鉄大牟田線で活躍した後、都落ちしてここにやってきました。ただし線路幅が違うので台車は交換してます。

 

西鉄の本線ともいえる大牟田線は九州鉄道(国鉄JR九州の路線を建設した九州鉄道とは別会社)が建設し、貝塚線(旧宮地岳線)は博多湾鉄道が建設しました。

つまり元は別の会社の路線だったのが、昭和17年、戦時統合により西日本鉄道が発足し、ともにその路線となりました。

 

このような経緯があり、貝塚線(旧宮地岳線)は大牟田線との接続はしていない孤立路線となっています。

 

 

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 車内。両開き3扉ロングシート

きれいに改装されていますが、どことなく古めかしさを感じます。

この電車は昭和38年の製造、半世紀以上前です。

 

 

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 運転台はまさに武骨、何世代も前のものと言った感じです。

 

8時49分、発車します。

 

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 車両基地の横を抜けると

 

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 多々良川にかかる橋を渡ります。

 

正面からはよくわかりませんが、この橋、鉄橋ではなく、アーチをいくつも連ねた古めかしい石造りの橋です。

(平行するJR鹿児島本線の車窓から見るとよくわかます

 

 

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 多々良川の上流方、JR鹿児島本の鉄橋が見えます。

 

下流方には貨物線である博多臨港線の鉄橋と、国道3号線の七連アーチ橋がかかっています。

 

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そしてJR と並行して走るようになり、やがてJR・西鉄共同使用駅の千早に到着します。ここで乗り換える乗客も多数おります。

 

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 大正・昭和初期の福岡市近郊の地図を見ますと、博多湾鉄道はまさに博多湾の沿岸に沿って敷かれています。

今はずっと先のほうまで埋め立てが進み、電車から海を見ることは全くできません。

 

車窓から見えるのはマンションや大型商業施設だけです。

 

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 貝塚線の中心駅ともいえる西鉄香椎。

 

 

香椎を過ぎると高架線から地上に降りて進んでいきます。

 電車は和白駅に近づきます。

 

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 進行方向右側から別の線路が近づいてきました。JR香椎線です。

 

JR香椎線西鉄貝塚線(旧宮地岳線)と同じく博多湾鉄道が建設した路線です。

昭和17年、戦時統合による西日本鉄道の発足により西鉄粕屋線となりました。ところが沿線に粕屋炭田があり重要な運炭路線ということで、昭和19年に国有化(戦時買収)され国鉄香椎線となりました。

 

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 こうして兄弟だった香椎線貝塚線(旧宮地岳線)は別会社の路線となりました。今は駅舎も別々となり線路もつながっていません。

乗客の乗り換えはできますが、全く他人同士と言った感じで存在しています。

 

電車は和白駅を発車すると、立体交差で香椎線をまたぎます。

 

 

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 海の中道のほうに行く香椎線と別れていきます。

 

その後も三苫まではマンションが立ち並んでいましたが

 

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三苫を過ぎると、ようやく田園の広がる光景となります。 

 

 

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 しかしすぐに終点、西鉄新宮に到着です。

 

 

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 貝塚からは20分の道のりでした。

 

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 この先、線路はありません。

 

かつてはこの先、津屋崎まで電車が走っていました。しかし赤字を理由に平成19年に廃止されました。

 

沿線は福岡都市郊外の住宅地で、本来ならば通勤通学などの鉄道需要は大きいと思われます。

しかし並行する鹿児島本線国鉄末期からJR化後にかけて列車の増発・新駅設置をおこない利便性が向上しました。これに対抗する西鉄宮地岳線を放置したまま、都市高速経由で福岡都心部の天神に直通するバスを充実させました。

 

低規格の単線路線で速度も遅い宮地岳線は乗客減が続いていました。

 何よりも都心部に直結してなくて、地下鉄との乗換の手間がかかり運賃が割高になるのはかなり痛かったように思います。

 

 

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 駅名標には猫のイラスト

 

駅近くから「猫の島」として知られる相島(あいのしま)への渡船が出ています。

 

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 駅舎のほうへ。

自動改札機はありませんがICカードの読み取り機が設置してあります。

nimoca」から運賃270円が引き落とされます。

 

 

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 待合室

相島への渡船場への道順と、渡船の時刻表が掲示してあります。

 

ただし現在コロナのため「島民・関係者以外の観光・レジャーでの乗船はご遠慮ください」だそうです。

 

 

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 西鉄新宮駅

 

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