カリバ旅行記

狩場宅郎のカリバ旅行記。温泉、鉄道、路線バスなど。

童男山古墳群

 

古墳、というと古代の豪族のお墓ですよね。古墳は今も西日本を中心に全国各地に残ってますが、その内部、すなわち石室を一般人が自由に見学できる古墳、というと限られてきます。

 

福岡県八女市の童男山古墳群(どうなんざんこふんぐん)は石室内部を自由に見学できる古墳のひとつです。今日は童男山古墳群をレポートします。

 

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福岡方面からだと、国道3号線で南下し、八女市の大島交差点で国道442号に入ります。そのまま東に国道を進み、上山内の交差点に入る直前に「福岡県立ふれあいの家南筑後←これより」という案内看板が頭上に見えますので、そこを左折し細い道を上っていきます。

 

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しばらく行くと左に分岐する道があります。
「産業廃棄物処分場絶対反対」なんて言う地元エゴの看板が一番目立ちますが・・・目立つだけに目印にもなります。ここを左折します。

 

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すぐに駐車場が見えてきます。
ここに車を停め、古墳の見学開始。

 

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駐車場のすぐそばにも「12号古墳」があります。

少し奥に行って見ます。

 

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これは「3号古墳」、古墳の上の、奇麗に刈り込まれた植木は現代人の手によるものでしょう。
ここは石室の中に入ることができるようです。

 

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周囲は八女茶の茶畑です。

 

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この石段を登っていったところが童男山古墳群の中心、1号墳のようです。

 

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ここが童男山古墳群の一号墳、福岡県史跡だそうです。

 

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では石室内部に入ってみます。

 

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フラッシュ炊いて撮影。中には石仏が祀られていました。
賽銭箱が置かれていましたので、お賽銭を奉納し軽く手を合わせて退出します。

 

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古墳周りの風景です。

 

石段下りて、農道を進んでみます。

 

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22号墳というのもあるようなので、行って見ます。

 

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茶畑の中を通って

 

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竹藪の中に入っていきます。

 

なんか、黄泉比良坂(よもつひらさか)を下って黄泉国(よみのくに)に行く感じ。

黄泉比良坂は現世と死者の国の境にあるという坂道、黄泉国は死者が行くところです。

 

日本神話によると、


日本の国は伊那耶岐(イザナギ)の男神・伊那耶美(イザナミ)の女神がお産みになりました。しかし伊那耶美は火の神を産んだことで重度の熱傷を負い死んでしまいました。
伊那耶岐は妻の伊那耶美が愛しいあまりに、伊那耶美を現世に連れ戻そうと黄泉比良坂を下りて黄泉の国に向かいます。

 

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そしてうす暗い竹藪の中にありました。これが22号墳でしょうか。

 

古墳の上には図太い竹や大きな木が生えていて、他の古墳と比べていかにも手入れされていない感じ。
周囲の石垣は後世の物でしょう。まさか古墳建造当時の葺石(ふきいし)が残っているとも思えません。

 

古墳の周りをぐるっと回ってみます。

 

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半周した反対側に石室の入り口がありました。
薄暗い竹藪の中、巨木の下に石室の入り口があります。

 

伊那耶岐は、黄泉国の宮殿で伊那耶美に向かって「帰ってこい」と呼びかけました。
伊那耶美は「黄泉国の神と相談して来ます。その間、絶対に私の姿をのぞかないでください」と答えました。
しかし伊那耶岐は待ちきれず、宮殿の中に入ってしまいます。

 

「黄泉国の宮殿」というのはすなわち古墳のことを表しているとも言います。

 

では、石室内部に入ってみます。
中は真っ暗です。

 

伊那耶岐は自分の頭に差していた竹櫛の歯を折り、それに火をともして松明(たいまつ)にして奥に進みます。

 

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松明ではないですが、フラッシュをたいて撮影。奥に進みます。

 

伊那耶岐は宮殿の奥の部屋で横たわる伊那耶美を見つけました。しかしその体は腐り蛆がわき、体中には小さな雷神が取りついています。
さすがの伊那耶岐もこれには震え上がり、思わずたいまつを落とします。次の瞬間、伊那耶岐は踵を返し逃げ出しました。

 

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これもフラッシュをたいて撮影。ここにこの古墳の主、古代の豪族が眠っていたのでしょう。
古代の魂に一礼し、手を合わせてから戻ります。

 

ちなみに日本神話では


伊那耶美は「絶対に見ないという約束を破った!許さん!」と、逃げる伊那耶岐を追いかけます。伊那耶岐はどうにか逃げ切り、黄泉比良坂を大きな岩で塞いでしまいました。
伊那耶美は「こんな仕打ちをするなら、日本の民を一日1000人殺してやる」と言います。
すると伊那耶岐は「ならば一日1500人の赤子を日本に産んで見せる」と返しました。
この時以来、死者の国とは自由に行き来ができなくなり、また日本の民が一日1000人亡くなり1500人生まれることになったそうです。

 

最も現在の日本は少子高齢化社会となっており、むしろ神話とは逆の方向に進んでますが・・・

ぼくは別に誰にも追いかけられることもなく、またもとの道を普通に歩いて駐車場まで戻ってきました。


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≪リンク≫

八女市 童男山古墳

福岡県観光連盟 童男山古墳

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