温泉に行きたいな~と思っても、様々な事情でいけないこともあるでしょう。そんな時、手軽にドラッグストアなんかで販売されている入浴剤を自宅の風呂に入れて、温泉に入った気分に浸る、という方もいらっしゃるでしょう。
(画像は写真ACより)
中には有名な温泉地を商品名にした入浴剤も多数販売されています。
と言っても、そういった入浴剤は実際の温泉成分とは無関係なことがほとんどです。たいていは同じような無機塩類を原料としており、香料と着色料だけを変えてあることがほとんどです。
入浴剤のパッケージにも「本品は温泉成分と同一ではない」旨が印刷されています。
そんな入浴剤はドラッグストアに行けば各種いろいろ並んでおります。
そして皆様の中には「入浴剤と言えば、昔は六一〇ハップというのがあったなあ・・・」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「六一〇ハップ」、ムトウハップと読みます。赤っぽい色をした液体の入浴剤で、湯に入れると乳白色に濁って硫黄臭が漂い、あたかも硫黄泉に入ったような気分になります。
薬効も高く根強い人気がありました。また白癬菌感染症(いわゆる水虫・タムシ)や疥癬(ダニの一種による皮膚病)にも有効なため、これらが集団感染しやすい介護施設などでもよく使われておりました。
しかし、平成19年ごろから硫化水素による自殺が社会問題となりました。六一〇ハップと酸性の液体を混ぜると猛毒の硫化水素が発生することから販売中止となりました。
六一〇ハップを愛用していた方々からは残念がる声が相次いだといいます。
いや実際、ぼくもそのころ、いつも行ってる店に置いてなくて、あちこちのドラッグストアや薬局を回ったが手に入らず「なぜ無関係な奴の勝手な自殺で、こんな優秀な製品が手に入らないんだ!!」と憤りを感じたものでした。
こんな理由で販売中止にするのなら、荷造り用の紐だって首が吊れるし、カッターナイフだって手首を切れる。それに、六一〇ハップが販売中止になったのに、トイレの酸性洗剤がそのまま売られているのはなぜなんだ!
これらすべてを販売中止にしなければ筋が通らないはずだが・・・
六一〇ハップを製造していた武藤鉦製薬は、六一〇ハップがほぼ唯一の商品であったため、この騒動後は製薬事業から撤退し、その後は不動産管理のみを行っているそうです。
現在、六一〇ハップと同様の商品として「浴精 草津温泉ハップ」と「湯の素」が販売されています。
どちらも六一〇ハップと同じく硫黄を主成分とした赤色の液体で、湯に入れると乳白色となり硫黄臭が漂います。
「株式会社草津温泉浴剤製造所」が製造する「浴精 草津温泉ハップ」は実際の草津温泉の成分を配合してあるそうです。公式オンラインショップでのみでの販売となっております。
東の草津温泉に対して、西の別府温泉の地にある「有限会社村上商会」では「湯の素」を製造しています。
こちらは公式サイトのほか楽天、アマゾンなどでも購入可能。また別府や由布院では店頭販売もされています。
ぼくも今はこれを使っています。
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