日向神話を訪ねる旅 3
北郷駅からタクシーに乗って潮嶽神社(うしおだけじんじゃ)までやってきました。
潮嶽神社の御祭神はホデリ。
ホデリは海幸山幸の神話で知られる海幸彦のことです。皇室につながる山幸彦ことホオリの兄であります。
天孫ニニギの子にホデリとホオリの兄弟がいました。
兄のホデリは海で魚を釣るのが得意で「海幸彦」と呼ばれ、弟のホオリは山で狩りをするのが得意で「山幸彦」と呼ばれてました。
ある日、ホオリ(山幸彦)は兄のホデリ(海幸彦)に道具を交換しようと提案し、嫌がるホデリを説得して互いの道具を交換します。勇んで海に出たホオリでしたが、当然魚は連れず、ホデリの大事な釣り針もなくしてしまいます。
ホデリは激怒し、ホオリは海に無くした釣り針を探しに行きます。
ホオリは海神の力を借りて兄の釣り針を探し出してきましたが、ホデリに返す時に海神から教わったまじないをかけます。
その後はホデリは何をやってもうまくいかず没落します。
ホデリは、これはホオリのまじないが原因だと気づきます。
そしてホオリに復讐するため、兵を集めてホオリの屋敷に攻め込みました。
しかしホオリは海神の力で巨大な大潮を起こし、ホデリの軍勢を押し流します。
溺れたホデリはホオリに降伏しました。
ホオリに敗れたホデリが最後に流れ着いた地がここ、潮嶽神社だと言われています。
ホデリはここで、どんな気持ちで余生を送ったのでしょうか・・
海幸山幸の神話ではホデリが悪者とされていますが、なんだか気の毒です。
小ぶりな手水舎
参道の脇にあった末社
「祖霊社」とお社の前の石に刻んであります。
ホデリは南九州の隼人の祖だそうです。
記紀神話で皇室につながるホオリを悪く言うわけにはいかないでしょうけれども・・
そもそも職人が自分の道具を大事にするのは当然のこと。ホデリは別に悪いことしてないのにね・・・
拝殿
手を合わせます。
奥の本殿
江戸時代後期、明治維新の35年前ですね。
さて、お参りを済ませ、帰りは近くの日南市コミュニティバス下宿野停留所からバスに乗って、北郷駅まで戻ってそこから16時19分発の観光列車の特急「海幸山幸」で宮崎に戻ろう、と計画していましたが・・・
思っていたより早く終わり、まだバスの時刻まで1時間以上あります。
歩いて戻ることにしました。歩けば駅まで1時間くらいはかかるでしょうが、15時12分発の鈍行列車に間に合います。
というわけで、歩き始めました。
道路のフェンスに稲わらが干してあります。
そして潮嶽神社から延々歩いて1時間10分、北郷駅まで戻ってきました。
15時12分発の南宮崎行き鈍行列車にも間に合いました。
40系気動車の単行。
来たときに見た「鬼の洗濯板」、潮が満ちて見えなくなっていました。
そして15時58分、木花駅で降りました。
潮嶽神社
電話 0987‐55‐3252
JR日南線北郷駅より日南市コミュニティバス清流号に乗車、下宿野停留所下車すぐ
(本数少ないので注意)
駐車場 有
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≪古事記の話≫
海幸彦と山幸彦
山幸ホオリ、釣り針を無くす
海幸ホデリ、怒る
ホオリ、帰る
田を開けば
ホデリが攻めてくる
ホデリ、降参する
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≪参考リンク≫
潮嶽神社