山の神を訪ねて 4
湯から上がって道後温泉駅前に戻ってきました。
まだ少し時間があるようなので、この先の坂道を進んでいきます。
まっすぐ登っていけば伊佐爾波神社です。
鳥居の真上から朝日が昇ってました。
このまま直進すれば伊佐爾波神社ですが、
横から石段が伸びています。
「湯神社」というそうです。
御祭神はオオアナムヂ(大己貴命)とスクナビコナ(少彦名命)だそうです。
オオアナムヂとはオオクニヌシの別名です。この二神は協力して日本の国を作り上げました。
オオクニヌシとスクナビコナが一緒に日本の国を巡行し、伊予の国に来ていた時だった。オオクニヌシがにわかに重病に陥った。
スクナビコナは海を挟んた筑紫の島に、どんな病をも直す湯が湧き出ていることを知っていた。
スクナビコナは海の下に樋を作って、伊予の国まで湯を引いてきてオオクニヌシを温浴させた。するとオオクニヌシはよみがえり「ああ、よく寝たことだ」と言った。
この時起きて踏みしめた跡は、今も湯の中に残っている。
すなわち道後温泉は、現在の別府温泉からスクナビコナが豊予海峡の下を引湯したものらしいです。
なおこの話、オオクニヌシとスクナビコナが入れ替わって語られることが多いようですが、小学館の「新編日本古典大全集 5 風土記」を読むと、病にかかったのはオオクニヌシで温浴させて救ったのがスクナビコナ、ということになっています。
石段を登っていきます。
石段を登りきると、そこは道後温泉の駐車場でした。
そばには小さな手水舎
手水舎の奥にお社がありましたが、これは湯神社ではないようです。
「中嶋神社」だそうです。
昭和33年、但馬国出石郡の中嶋神社から分社したと彫ってあります。
中嶋神社は兵庫県豊岡市にあり、垂仁天皇の命により柑橘類のタチバナを日本に持ち帰った田道間守を祭神としています。菓子の神として信仰されているそうです。
拝殿
奥の本殿
そして中嶋神社の奥に湯神社があるようです。
入って見ます。
湯神社拝殿
奥の本殿
湯神社のそば、駐車場から続くスロープの下には、大きなカバーが被さった保存工事中の道後温泉本館が見えました。
では、また元の石段を降りて、道後温泉駅まで戻ってきました。
施設名 | 湯神社 |
所在地 | 愛媛県松山市道後湯之町4‐10 |
電話 | 089⁻921‐0480 |
開園時間 | |
料金 | 拝観料無料 |
交通 | ☆伊予鉄道道後温泉駅より徒歩10分 |
駐車場 | 温泉駐車場(30分100円、本館・椿の湯・飛鳥乃温泉利用の場合1時間無料) |
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≪参考リンク≫
湯神社