いろは会館 後編 令和6年1月

讃岐国を行く 21

 

香川県善通寺市善通寺の境内にある宿坊「いろは会館」に泊まっています

善通寺弘法大師空海の生家であり、四国八十八箇所霊場第七十五番札所であります

 

チェックインの後、善通寺の境内から湧出しているという温泉に浸かって、

 

部屋に戻ってきました

窓からは夕暮れの善通寺境内が見渡せます

 

さてチェックインの時、夕食時間は17時30分からと案内されていました

ちょっと早いな・・と思いましたが、

 

腹も減ったので17時40分ごろ食堂の方へ向かいます

 

しかし、「食堂」ってどう読むんだろう・・

一般的には「しょくどう」ですが、仏教用語では「じきどう」です

 

とにかくその「食堂」に入ります

 

広い室内は、なんか学食か、社員食堂といった雰囲気

その中にここにも狩場(の本名)の名札が置いてあります

 

この広い中、ここで食事をいただくのはぼく一人だけみたいです・・

 

2食付きで8000円なんで、こんなもんでしょうね

 

入口の横に「お飲み物券販売機」

ビール、ジュース、日本酒、ウーロン茶、ノンアルビールが販売されています

 

400円入れてビールの「お飲み物券」を購入、これも学食によくあるような、プラスチックの小さな楕円形のプレートが出てきます。

それをカウンターの係員、これも学食か社食のスタッフといった感じの方に渡すと、中瓶のビールが運ばれてきました

 

鍋の中はこんな感じ

 

 

 

アルミホイルを開くと蒟蒻が出てきました

御飯とうどん

 

うどんは鍋が煮たってから鍋の中に入れてください、といわれました 

御飯はお替りできるそうです

 

デザート

 

鍋が煮えてきました

 

うどんを入れます

 

うどんは腰のあるさぬきうどんみたいです

御飯はお替りして、おなか一杯いただきました

 

満足して部屋に戻りました

テレビをつけると、大雪のため名神高速道で車が立ち往生、というニュースが流れてきました

 

部屋にあった仏教聖典とか弘法大師の伝記とかを読んでみます

消灯時間は21時と案内されていましたが、別に21時以降に明かりをつけていても何も言われませんでした

 

そのうち眠くなったので、本当に明かり消して寝入ってしまいました

 

翌朝、5時過ぎ、窓から見る早朝のまだ暗い善通寺境内

 

この後朝6時から、朝の勤行(ごんぎょう)が行われます

 

5時50分ごろ、部屋から出てきました

まだ誰もいないフロント・ロビー

 

勤行が行われる御影堂の方へ向かいます

 

この先、写真の撮影はできません

 

長い廊下を通っていくと御影堂の入り口で一人のお坊さんが出迎えてくれました。スリッパを脱いで中に入ります。

御影堂の中に入ります。御影堂は弘法大師が産まれた佐伯家の邸宅跡とされています。

荘厳な飾りがなされた堂内には内陣(祭壇)が設けられ、その手前に宿坊の宿泊者は座ります。

お坊さんはぼくを招き入れると、ファンヒーターのスイッチを入れてくれました。後ろに積み重ねていた椅子を自分で持ってきて祭壇の前に座ります。

広いお堂なのでこれだけで温まるわけではありませんが、座っているぼくの身体には暖かい風が当たります。

 

気候のよい時期ならば、この場所にお遍路さんとか、その他の宿泊者が大勢座るのでしょうね。今朝の勤行に来た一般人はぼく一人だけでした。

やがて6時、数人のお坊さんが列をなして入ってきました。堂内は厳粛な雰囲気に包まれます。

 

うち一人、いちばん位が高そうなお坊さんが祭壇の中央、一段高い場所に座ります。そして祭壇の両側に総勢8人のお坊さんが座りました。中には女性のお坊さんも交じっています。女性の方も頭は坊主頭です。

 

そして読経が始まりました。お坊さんたちが声を合わせて読経を唱和します。時折、楽器を打ち鳴らす音が響きます。なんという楽器かわかりませんが、女性のお坊さんが打ち鳴らしているようです。時々、楽器だけでソロ演奏のような時間もはさまれます。

 

祭壇の上に座ったお坊さんは、読経が続いている間、身体を動かします。後ろ姿しか見えませんが、何かの儀式的なしぐさをしているのでしょうか。

 

そんな厳粛な時間が40分ほど続きました。やがて読経が止み、祭壇に座っていたお坊さんは、祭壇から降りて、祭壇の前に座りなおしました

その後、両側に座っていたお坊さんたちが立ち上がり、列をなして退場していきました。その後、祭壇の前に座っていたお坊さんが退場していきました。

 

なんとも荘厳な時間でした。神社仏閣を巡っているくせに信仰心は全くなく煩悩が服着て歩いているようなぼくですが、これで煩悩のひとつくらいは落とせたかな・・

 

余韻に浸っていると、祭壇に座っていたお坊さんがぼくのところにやってきました。お坊さんは祭壇の前の方にぼくを連れていきます。

そこでお坊さんの指示するままに焼香を行いました。

 

焼香の後、お坊さんに戒壇巡りの入り口に案内されました。中は真っ暗なので、左手で壁を触りながら進んでくださいとのことです。

いわれるままに、階段を降りて「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう)と唱えながら真っ暗な通路を進んでいきます。

 

するとにわかに明るくなりました。そこに大日如来が安置されています。

なんでもここが弘法大師の母である玉寄御前(たまよりごぜん)の部屋があったところであり、弘法大師が産まれたところだそうです

そして弘法大師の説話が流れ出しました。

ありがたく最後まで聞いてから、お賽銭を納めて手を合わせて拝み、再び真っ暗な通路を歩いて進みます

 

すると前の方に明かりが見え、階段が見えました。

階段を上ると、そこに先のお坊さんが立っていました。

 

お坊さんにお礼を言って、御影堂を出てスリッパをはいて、元のいろは会館の方へ向かいます。

普段ならもっと多くの参列者がいるのでしょうが、今日はぼく一人・・あくまでもお寺の日課であり別にぼくのために開いてくれたわけではありませんが、でもこの時間が独占できたというか・・すごくいい時間が過ごせました

 

渡り廊下から見る夜明けの善通寺境内

そのまま「食堂」の方に進みます

 

先のお坊さんは、「戒壇巡りが終わりましたら『じきどう』の方へお越しください」といわれていました

なのでこの読みは「じきどう」が正解のようです

 

 

その「食堂(じきどう)」

またまた広い中にぼく一人だけです

 

まあ、こんなもんでしょうね

鍋の中は湯豆腐でした

 

御飯と味噌汁はお替りして、おなか一杯いただきました

 

部屋に戻って、一息入れてから、

 

フロントに降りてきました

チェックアウトの手続きは必要なく、鍵を箱の中に入れて出ていけばいいそうです

 

一晩世話になったいろは会館を後にします

 

比較的規模の大きなお寺の宿坊ですが、温泉でも食堂でも朝の勤行でもぼく一人だけという・・・

でも、貴重な体験ができました。

 

 

いろは会館と御影堂の間、

表札には「真言宗善通寺派宗務庁」と書いてあります

 

善通寺真言宗善通寺派の総本山です

 

そして「御影堂」

早朝、この中で朝の勤行が行われていました

 

 

施設名 いろは会館
所在地 香川県善通寺市善通寺町3-3-1
電話 0877-62-0111
FAX 0877-62-4302
温泉名  
源泉名 善通寺大師の里湯温泉
泉温 18.9度
泉質 温泉分析書に記載なし。「温泉法上の温泉」と思われる
利用形態
料金・営業時間
宿泊 可/5000円~/16:00~21:00
日帰り 
浴槽の管理 循環濾過
加温あり
塩素系薬剤使用
浴槽の種類 男女別
 露天 
 内湯 有
混浴
 露天 
 内湯 
家族・貸切
 露天  
 内湯  
備品・設備 ボディソープ  有
シャンプー     有
タオル(日帰り)  
ドライヤー   有
ロッカー     貴重品ロッカーのみ     
自動販売 ソフトドリンク  有
アルコール飲料  有
瓶入り牛乳
アイスクリーム
その他
食事処  
アクセス 善通寺駅より徒歩25分
駐車場 有(善通寺駐車場とは別に宿泊者専用の無料駐車場)
温泉について  

令和6年1月現在

 

 

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