鉄道唱歌で行く伊勢紀行 4 ／ 青春18令和6年夏紀行 2日目
大阪市を早朝に出発し、片町線・関西本線を通って亀山までやってきました
紀勢線・伊勢線を通っていく8時23分発の伊勢市行き鈍行列車に乗り変えます
ここでも車内はロングシートでした
がっかりしましたが、運転台かぶりつきで立っていくのも疲れたので、ロングシートの端に腰掛けます
定刻、列車は発車します
伊勢平野を走っていきます
一身田駅
津駅
三重県の県庁所在地であり、日本一短い駅名です
近畿日本鉄道との共同使用駅であり、奥に近鉄の電車が見えています
龜山城をあとにして
一身田も夢のまに
走ればきたる津の町は
參宮鉄道起点の地
紀勢本線の津までは関西鉄道が建設しましたが、津から伊勢市までは参宮鉄道により建設されました
町の社に祭らるゝ
神は結城の宗廣と
きこえし南朝忠義の士
まもるか今も君が代を
結城宗広は後醍醐天皇に従い鎌倉幕府の討伐に功を上げました。しかし足利尊氏の軍に敗れ、義良親王（後の後村上天皇）を奉じて海路で奥州へ向かう途中に遭難しました。漂着したのがこの津の地で、ここで病死したと伝えられます。
市内の結城神社に祀られています
近畿日本鉄道の線路が見えています
堂々とした複線電化の近鉄に比べて、紀勢本線は単線非電化で見劣りします
先の津駅での乗降客数も近鉄がはるかに優位に立っています
列車交換のためしばらく停車します
高茶屋駅
雲出川を渡ります
阿漕が浦に引く網の
名も高茶屋の雲出川
わたりながらも眺めやる
桃のさかりやいかならん
木綿產地の松坂は
本居翁の墳墓の地
國學界の泰斗とて
あふがぬ人はよもあらじ
国学者の本居宣長は伊勢国の松坂出身。墓は市内の妙楽寺にあり「本居宣長奥墓」として国指定史跡となっています
田丸駅
田丸の驛に程ちかき
斎宮村は斎王の
むかし下りて此國に
住ませ給ひし御所の跡
斎宮（斎王）は未婚の内親王または女王から選定され、アマテラスの御杖代として伊勢神宮に奉仕しました
その御所であった斎宮跡は伊勢神宮から15km離れた田丸駅の北方に位置しています
なお斎宮跡に行くには昭和5年に開業した近鉄の斎宮駅の方が便利で、駅を降りた目の前が斎宮跡です
列車は参宮線に入って進んでいきます
宮川駅
轟きわたる宮川の
土手の櫻の花ざかり
雲か霞か白雪か
にほはぬ色の波もなし
宮川を渡り、
終点の伊勢市、9時56分着
伊勢市駅は明治30年に山田駅として開業、昭和34年に現駅名に改称されました
伊勢の外宮のおはします
山田に滊車は着きにけり
參詣いそげ吾友よ
五十鈴の川に御祓して
駅前正面の通りをまっすぐ行けば、伊勢神宮の外宮です。
五十鈴の川の宇治橋を
わたればこゝぞ天照す
皇大神の宮どころ
千木たかしりて立ち給ふ
神路の山の木々あをく
御喪濯川の水きよし
御威は盡きじ千代かけて
いづる朝日ともろともに
伊勢と志摩とにまたがりて
雲井に立てる朝熊山
のぼれば冨士の高嶺まで
語り答ふるばかりにて
下りは道を踏みかえて
見るや二見の二つ岩
畵に見しまゝの姿にて
立つもなつかし海原に
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