日向三代を訪ねて 16
都萬神社
鳥居に拝礼して参道を奥へ進みます。
すると、末社の小さな赤い鳥居があり
奥にはお稲荷さんが祀ってありました。
都萬神社の御祭神はコノハナサクヤビメ。
山の神・オオヤマツミの娘であり、高天原から降臨した天孫ニニギ(日向三代の初代)の后であります。
高千穂に降臨したニニギは、ある日コノハナサクヤビメと出会いひとめぼれします。
娘が天孫に見初められたことを喜んだ父のオオヤマツミは、姉のイワナガヒメも一緒にニニギのもとに送り出します。
ところがイワナガヒメはとても醜い容姿をしていました。ニニギはコノハナサクヤビメだけを后にし、イワナガヒメはオオヤマツミのもとに送り返してしまいました。
「わたしは花が咲くような繁栄を願ってコノハナサクヤビメを、そのお命が岩のように永遠に続くようにと願ってイワナガヒメを送り出した。しかるにコノハナサクヤビメだけをとどめてイワナガヒメを返されたので、天の御子の命は花のように短いものとなろうぞ」
と言いました。
こうしてニニギの子孫である、現代に続く皇室は、天津神の子孫でありながら短い限られた命になったということです。
時が経ち、コノハナサクヤビメは妊娠しました。ところがニニギは
「お前とともに過ごしたのは一夜だけだぞ。一夜で子ができるはずはない。おまえ、それはこの土地の誰かのの子供だろう!」
と言い、
言われたコノハナサクヤビメは
「ならば証明してみせましょう!天の御子なら無事に生まれてきます。この土地の子なら無事には生まれないでしょう。」
と言って産屋に入ると、出口を土で塗り固めて産屋に火をつけました。
コノハナサクヤビメは燃え盛る火の中で無事に出産し、ニニギの子であることが証明されました。
この時産まれた子がホデリ、ホスセリ、ホオリの三兄弟です。
後にホデリは海幸彦、ホオリは山幸彦(日向三代の二代目)と呼ばれるようになります。
手水舎
手水舎の横には何やら小さな屋根と陶製の壺。
屋根の下の空洞になった樹の幹、「 千年楠の洞洞木」
この孔を通り抜けると願いが叶うそぅです。
その横の陶器の壺は 「日本清酒発祥の地」を記念するものだそうです。
改めて日本書紀を紐解いてみると、別伝として収録してある「一書(あるふみ)」にこの話が載ってました。
ちなみにこれより前の時代にも酒の記述は出てくるのですが・・(スサノオが八俣のおろち退治で酒を醸造し酔わせて退治した話など)
ま、いいか・・
拝殿。手を合わせます。
奥の本殿
境内の一角には末社の鳥居があり
小ぶりなお社がふたつ、その奥に大きめのお社
小さなお社のひとつは四柱の神様を祀った「四所神社」、コノハナサクヤビメの姉イワナガヒメもここに祀られています。
もうひとつの「霧島神社」の御祭神はコノハナサクヤビメの夫、天孫のニニギですね。
その横のお社は「大山祇神社」
コノハナサクヤビメの父、山の神であるオオヤマツミを祀ってあります。
オオヤマツミの神を祀る神社の総本社は愛媛県今治市の大山祇神社とされています。
都萬神社
宮崎県西都市妻1
電話 0983-43-1238
宮崎駅より宮崎交通バス西都バスセンター行き約55分、終点下車、徒歩15分
(都萬神社前まで行く便もあるが本数少ない)
駐車場 有
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