出雲大社参詣記 16
常設展テーマ別展示室「出雲国風土記の世界」
風土記とは奈良時代に諸国の産物・地形・伝説や地名の由来などを記録したもので、元明天皇の命により各地の国司に提出させました
現在、写本として現存しているものは5か国のみで、出雲国風土記もその一つです
風土記の写本ですね
「加賀の潜戸」(かかのくけと)
島根県松江市島根町加賀にあり、出雲国風土記には島根郡の条に「加賀の神埼」と記されている洞窟です。
ヤツカミヅオ三ヅヌ(八束水臣津野命)は出雲の国が小さいのを嘆き、朝鮮半島・隠岐・能登半島を「をとめのむなすき」で切り取って国を引っ張敵て島根半島を作り上げました
パネルには「これらの地域と出雲との間には古くから活発な交流がありました」と記してあります
松江市から出土した鋤と、安来から出土したの鋤の先に装着する鉄製の鋤先
「をとめのむなすき」とはこんな感じの「鋤」だったのでしょうか
「鋤(すき)」というのは畑を耕す道具で、今でいうシャベルです。
出雲国風土記には「神名火(樋)」と記される山や野に関する記述が4か所確認できます。カンナビとは神が隠れ籠る場所のことで・・
・・入海(宍道湖)を取り囲むように位置しています。まるでカンナビが出雲世界を守る存在であることを象徴しているかのようです
完成当時の出雲国風土記を復元したもの
元は冊子ではなく巻物だったんですね
出雲地方の各地から出土した土器
これは「朝酌促戸(あさくみのせと)の市場の様子を再現したもの
朝酌促戸は現在の松江市矢田町のあたりで、出雲国風土記の島根郡の条に記述がありました
出雲国風土記には「たくさん撮れる大小の魚に浜辺は騒がしくなり家々は賑わい、商人が四方寄り集まって自然に市場ができた」と記載してあります
朝酌促戸は宍道湖と中海を結ぶ大橋川の北岸にあり「矢田の渡し」が南岸とを結んでいました
水上交通と陸上交通が交わる要衝であり、出雲各地から多くの人々が集まり賑わっていました
こちらは「邑美冷水」(おほみのしみず)で開かれた宴の様子を描いたものだそうです
邑美冷水とは現在の松江市大海崎町にある「目無水」のことだそうです
出雲国風土記には島根郡の条に「男も女も老人も若者も、事あるごとに集まって、いつも宴会を開く場所である」と記してあります
風土記の時代の生活用具
須恵器
須恵器の工房の模型
施設名 | 島根県立古代出雲歴史博物館 |
所在地 | 島根県出雲市大社町杵築東99‐4 |
電話 | 0853-53-8600 |
FAX | 0853-53-5350 |
営業時間 | 9:00~18:00(11月~2月は17:00まで) |
定休日 | 第一・第三火曜日 |
料金 | 常設展620円 |
交通 | ☆出雲市駅より一畑バス大社・日御碕線(高松経由)正門前下車徒歩5分 ☆一畑バス大社・日御碕線(島根ワイナリー経由)古代出雲歴史博物館前下車すぐ ☆一畑電車出雲大社前駅下車徒歩10分 |
バリアフリー情報 | |
駐車場 | 有 |
令和6年4月現在
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島根県立古代出雲歴史博物館