鉄道唱歌で行く東北本線 6 / 青春18令和4年夏紀行 初日
早朝に上野を出て東北本線を鈍行列車で北上し、お昼ごろになって仙台まで到達しました。
皿に乗り換えて北に進んでいきます。
12時45分発、小牛田行き鈍行列車。
定刻に発車します。車内はセミクロスですが、だいぶ混んでいます。
ここからも運転台かぶりつきで行きます。
この先、鉄道唱歌が出版された明治時代、東北本線は現在とは違ったルートをたどっていました。
明治23年に一ノ関まで開通した時、現行より山側の利府経由で線路が敷設され、品井沼駅で現行の東北本線と合流していました。
しかしこの線路には急勾配が連続し、当時の蒸気機関車では補器を連結する必要があり、輸送上の隘路となっていました。
このため海岸沿いの新線が計画され、昭和19年に現行の東北本線が開通しました。
旧線のほうは昭和37年に利府~品井沼間が廃止され、東北本線利府支線となって現在に至っています。
多賀の碑ほどちかき
岩切おりて乘りかふる
汽車は鹽竈千賀の浦
いざ舟よせよ松島に
東北本線の建設に当たって塩竈港で資材を搬入しました。このため東北本線の開通に先立ち、明治20年に塩竈から郡山まで開通しました。
しかし青森方面への延伸は前述のとおり岩切で分岐して利府経由で開通し、岩切~塩竈間は塩竈線と呼ばれる支線となりました。
すなわち鉄道唱歌の出版時、日本三景の松島に行くには、岩切で塩竈線に乗りかえ、終点の塩竈で降りて松島に向かって行ってたのでしょう。
塩竈線は昭和31年に旅客列車が廃止され貨物線となり塩釜線と名称変更しました。同時に現行の塩釜駅が開業し、旧塩竈駅は塩釜港駅と改称されました。
平成9年に塩釜線は廃止されています。
古代陸奥國の国府が置かれ、蝦夷支配のための軍事拠点であった多賀城は駅から徒歩約20分のところにあります。
現在の塩釜駅の開業は先述の通り昭和31年です。
塩釜駅を過ぎると松島の海が見えました。
海岸沿いを走る仙石線も見えます。
仙石線は私鉄の宮城電気鉄道が建設し、昭和19年の戦時買収により国有化されました。
元々私鉄線であったため東北本線と並行して走りつつも接続駅はありませんでしたが、平成27年、両線をつなぐ連絡線が敷設されて「仙石東北ライン」として運行されています。
もっとも日本三景の松島からは少し離れており、松島観光には仙石線の松島海岸駅のほうが便利です。
鉄道唱歌には30番の歌詞のあと「松島船あそび」という付録が掲載されています。
松島船あそび 一 二 三 四
こげや╱╲いざ船子
鏡なせる海の上
波に浮ぶ八百の
島の影もおもしろや
見るがまゝに變りゆく
松のすがた岩のさま
前に立てる島ははや
あとに遠く霞みたり
雪のあした付きの夜半
あそぶ人はいかならん
みれど╱╲果もなき
二子島の夕げしき
五大堂を右にして
瑞嚴寺の森ちかき
磯に船は著きにけり
暫しといふ程もなく
「松島船遊び」というのは七五調ではなく六五調になってますね。
車内は多少空きましたが、まだ混んでいます。
終点、小牛田13時30分着
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