下関から門司へ 12 / 青春18令和4年春紀行 2日目
門司港メトロ観光線は、もともとは門司港から田野浦の工場地帯までを結ぶ貨物専用の鉄道線でした。戦前に開通し、国鉄分割民営化後はJR貨物が運営を引き継いでいましたが、平成17年に貨物列車の運行は休止されました。
この路線に目を付けたのが、門司港周辺を「門司港レトロ地区」として観光整備を進めていた北九州市です。ここに観光用のトロッコ列車を運行しようと北九州市は考えました。
路線は北九州市が購入し、実際の運行は田川地区で鉄道線の運営実績がある平成筑豊鉄道に委託し、平成21年に門司港レトロ観光線が開業しました。
窓口に行き乗車券を購入。運賃は全区間300円です。
やがて10時10分、JR門司港駅のそばにある「九州鉄道記念館」駅から大勢の観光客を積んだ列車が入ってきました。
折り返し10時20分発の列車となります。
観光に特化した鉄道なので、運行は土曜・休日と4・5月の大型連休期間、夏休みの期間だけとなっています。
同じように鉄道廃線跡を観光鉄道として再生したものとしては、京都府の山陰本線旧線を活用した嵯峨野観光鉄道があり、こちらは昔乗ったことがあります。
しかし門司港レトロ観光線はぼくの家から比較的近い所にあるにもかかわらず、今回が初乗車となります。
なんともちっこいディーゼル機関車。身長173mのぼくの目線よりかなり低い。機関車というより保線用のモーターカーといった感じ。
とゆーか、調べてみると、もともとは実際に鉄道としての車籍を持たない「機械」でした。
製造年は「不詳」、国鉄が貨車移動機として製造されたものだとみられるそうです。機関車「DB10」として登録されたのは昭和61年、南阿蘇鉄道でトロッコ列車を牽引していました。これを平成筑豊鉄道が購入したそうです。
この小さな機関車を、二両の客車の前後に連結してます。
通常、機関車牽引の列車は終点に着けば機関車を付け替える作業が必要ですが、こうすることにより電車・気動車のようにそのまま折り返すことができます。
客車
座席は木製です。大きなテーブルが付いています。
客車の車両番号は「トラ701」
カタカナの「トラ」は本来、貨車の記号です。
「ト」は無蓋貨車、つまり屋根のない、雨にぬれてもいい鉱石や木材などを運ぶ貨車を指します。「ラ」は積載量を表しています。
これも調べてみると、もともとは国鉄が昭和42年から製造しているトラ70000型貨車です。島原鉄道に譲渡されて客車に改造されトロッコ列車として運用後、平成筑豊鉄道に譲渡されたもののようです。
10時20分、列車は発車します。
列車は先ほど見た、和布刈公園に保存されている電気機関車と客車の横を進んでいきます。
窓は開け放され、春の風が入ってきます。
現在では国内ではほぼすべての車両に冷房が完備されて、窓は開かなくなっているからな・・・窓開けて外の風を受けながら列車に乗るのは何年ぶりだろう・・・
列車はすぐにトンなるに
添乗員さんの「天井をご覧ください」という声に見上げてみれば、天井に何やら海の生物が映写されていました。
トンネルを出ると、海沿いを走っていきます。
門司港の建物が見えてきました。
列車は海沿いを離れ、
高層マンション「レトロハイマート」
高さ103mの展望台に上れば関門海峡や門司港地区が一望できるそうです。
列車はゆっくりと走り、関門海峡めかり駅から約10分、
終点、九州鉄道記念館に到着しました。
奥に駅名になっている九州鉄道記念館が見えます。
線路はここで行き止まりですが、国鉄・JR貨物だった時代はもちろんここから門司港駅の構内に線路はつながっていました。
駅前からJR門司港駅の屋根が見えます。
ここから電車に乗って帰ります。
令和4年春の青春18きっぷ2日目、これでお開きにさせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。
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平成筑豊鉄道 門司港レトロ観光列車