鉄道唱歌で行く信越本線 2 / 青春18令和3年春紀行 初日
上野を出て、赤羽を5時23分に発車する高崎行きの鈍行列車が入ってきました。
グリーン券は上野駅で購入しておきました。グリーン料金は51キロ以上どこまで乗っても1000円(平日・事前料金)。
上野から乗っても赤羽から乗っても高崎までの料金は変わりません。
埼玉県の県都、浦和。
蕨すぐれば浦和にて
その公園は調の宮
埼玉縣の縣廳も
この地にこそは置かれたれ
そして大宮駅。ここから東北本線と別れて高崎線に入っていきます。
大宮おりて八九町
ゆけば氷川の公園地
園は螢に名も高く
宮は武藏の一の宮
5時53分ごろ、やっと空が明るくなってきました。
上尾桶川鴻の巣に
近き吉見の百穴は
古代穴居の人のあと
見るも學びの一つなり
だんだん明るくなってきました
吹上すぎてながめやる
熊谷土手の花ざかり
次郎直實生まれたる
村の名今につたへたり
熊谷土手、なのか分かりませんが、
左車窓からは荒川の築堤が見えています。
橋上駅舎のデザインは東京駅を模したものだそうです。
左に雲のあひだより
みゆる秩父のふもとなる
大宮までは馬車もあり
この「大宮」はさっき通った大宮ではなく、現在の秩父市のことです。秩父神社の門前町であったことから「大宮郷」と呼ばれ、町村制施行の際も「大宮町」となりました。大正5年に秩父町に改称されました。
左側車窓
雲の間から秩父の山々は・・・よくわからない。
そして終点の高崎、6時55分着
はや新町も倉賀野も
またゝくひまに行きすぎて
今ぞ上州高崎の
繁華の町につきにける
町の東北前橋へ
汽車にてゆけば十五分
群馬縣廳所在の地
上野一の大都會
若葉紅葉によしときく
高崎よりは程ちかし
避暑にも人のゆくところ
みわたすかぎり青々と
若葉波うつ桑畑
山のおくまで養蠶の
ひらけしさまの忙がしさ
線路わかれて前橋の
かたにすゝめば織物と
製絲のわざに名も高き
桐生足利とほからず
養蚕・製糸業は明治維新後、近代化を進める日本の基幹産業でした。絹糸の生産量は世界最大となり、戦前は重要な外貨獲得源でした。
昨日ご紹介した日本鉄道品川線、現在の赤羽線・山手線((赤羽~池袋~品川間)も、元々はこの地方で生産される絹糸を横浜港まで輸送することが目的でした。
≪鐵道唱歌で行く≫
鉄道唱歌で行く東海道本線 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
鉄道唱歌で行く山陽本線 1 2 3 4 5
鉄道唱歌で行く日豊本線 1 2 3 4
鉄道唱歌で行く鹿児島本線 1 2 3 4
鉄道唱歌で行く長崎本線 1 2 3 4 5
鉄道唱歌で行く信越本線 1
≪タクロウ作成のサイト≫
鉄道唱歌の話
温泉の話
駅弁の話
古事記の話
古事記ゆかりの地を訪ねて