カリバ旅行記

狩場宅郎のカリバ旅行記。温泉、鉄道、路線バスなど。

ICカード乗車券160円の旅 9 筑豊本線632H列車  直方~黒崎


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817系電車、15時29分発の黒崎行、3分の連絡です。

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先頭車クモハ817-2004の車内。
817系は篠栗筑豊線、長崎・佐世保での運用のため製造されたもので、もともとは座席は本皮張りの転換クロスシートでした。その後増備されたものは写真のようなオールロングシートです。それにしても硬そうな座席ですね。
窓を背にして座っても仕方ないので、運転台かぶりつきしますが・・・

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運転台には運転士が3人、何だ?・・・と思いましたが、どうやら養成中の運転士が実習を行っているようです。それにしても指導教官が二人というのは何事でしょーか。
見習い運転士さんは大きな声を出し、腕を大きく振り回して指差し、時刻表やドア開閉の確認をします。
見習い時代はみんなそうなのですが、プロの運転士では・・・ここまではきはきと声大きく、きびきびと指差しすることはまずないですね。
まあ、養成中は全てを基本通りしっかりと、プロになれば大なり小なりある程度の手抜き、とゆーのはどの業界・職種でも共通してますが。


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電車は旧産炭地の平野の中を走っていきます。
指導教官は「速度、目視!」などと大きな声で言い、それを見習い運転士が復唱します。すると指導教官は、運転台のスピードメーターを隠してしまいました。見習い運転士さんは、どうやら目で見た感覚で速度を図っているようです。
もう一人の教官は、何やらメモを取っています。よくわからんが、ただの実習ではなく、何かの検定なのでしょうか。

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遠賀川の鉄橋を再びわたります。

そして電車は折尾駅へ。本来の経路ならば折尾で鹿児島本線に乗り換えなければなりませんが、このまま黒崎まで乗っていきます。

運賃計算上、折尾~黒崎間も往復乗車できる特例があります。しかしここは日豊本線小倉~城野間の、分岐駅の特例とはちょっと性格を異にしています。

折尾駅は立体交差駅です。明治の昔から東西方向に鹿児島本線が高架線を、南北方向に筑豊本線が地上を走っています。この構造上、鹿児島本線筑豊本線折尾駅経由では直通できません。
一方、筑豊炭田の石炭は若松港だけでなく、八幡・戸畑の製鉄所にも運ばなければなりません。このため鹿児島本線黒崎駅筑豊本線中間駅の間には貨物線がつくられ(陣原駅及び東水巻駅は後に開業)、直方方面から小倉方面へと貨物列車は直通してました。
後に旅客列車もこの貨物線を通って直通するようになりました。この場合、折尾経由で運賃計算しますが、貨物線にはホームがないので折尾駅は通過扱いとなります。これでは鹿児島本線博多方面に乗り換えることができません。そこで直方方面から小倉方面へ直通する列車で黒崎まで行って、博多方面に乗り換えることが出来る、すなわちこの場合折尾~黒崎間を往復できるという特例が作られました。

その後、貨物線にもホームができ、折尾駅で乗り換えができるようになりましたが、この特例は継続しています。
ホームができた、とはいっても元からある貨物線の上に造っただけです。折尾で乗り換えるためにはいったん改札口を出て公道を150メートルほど歩かなければならず、不便だからでしょう。

今、折尾駅は改良工事が進められており、離れている改札口も統合されるそうです。そうなればこの特例制度もなくなるのかもしれません。

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左に進むと折尾駅本駅舎、電車は右側へ進んでいきます。

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本駅とは別の場所にある貨物線のホーム。もっとも今は貨物列車はありません。

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そして鹿児島本線と並走するようになります。

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定刻15時26分、黒崎着。見習い運転士さん、お疲れさまでした。

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