ICカード乗車券160円の旅 序章

 私タクロウは小学生の時からもう何十年も「乗り鉄」をしています。今回のレポートは少々「鉄分」が濃いので、貧血気味の方にはいいかもしれませんが一般の方には退屈なお話かもしれません。

 さて、JRには国鉄時代から「大都市近郊区間」という制度があります。
 鉄道の運賃計算は実際に乗車した経路により計算するのが原則ですが、大都市近郊区間内では例外的に最短経路により計算します。つまり遠回りで乗っても、運賃は一番安い経路の値段でよいということです。路線が環状になったり、複雑に入り組んでいるこれらの地区で、原則通り乗車経路を指定していては、乗客・鉄道会社双方とも煩雑なのでこのような制度が定められました。
 これを逆手にとって、「最低運賃で大回り乗車をする」ということが昔から一部のマニアの間で行われてきました。

 時代は移り、「ICカード乗車券」なるものが登場しました。これも大方、運賃計算において複数経路がある場合、大都市近郊区間と同じような考えをしているようです。
 JR九州では「SUGOCA」というICカード乗車券を発行していますが、これも実際の乗車経路にかかわらず最短路線の運賃で計算します。さらにSUGOCAエリアには「運賃計算の特例に使用する路線(以下、特例路線)」というのもあり、この区間でICカードでの入出場はできないが運賃計算の経路とできるものです。途中下車しなければ特例路線をICカードで通過することもできます。国鉄時代からの福岡近郊区間と重なりますが、その範囲ははるかに広いものとなっています。

 さてさて、九州の中心駅・博多から隣の吉塚まで、JR九州の初乗り運賃である160円です。 もちろん「最短経路」である鹿児島本線経由ですが、SUGOCAエリア内では・・・鹿児島線で熊本まで南下、豊肥線で大分へ、その後久大線で日田を通り夜明から日田彦山線を北上・・・という経路も理論上可能です。
 しかし特例路線である豊肥本線熊本地震のため不通となっています。代行バスは運転されていますが、この区間の取り扱いについて、メールでJR九州に問い合わせてみたところ

肥後大津間~宮地間のバス輸送区間につきまして(略)ICカードをご利用いただけません。事前に目的地までの切符をご購入いただき、ご乗車時にバス運転士にご提示ください。なお(略)熊本県からの要請により、主に地元の通学利用のお客様を救済することを目的として(略)学生のお客様の優先利用にご協力をお願いしております」

という返事でした。
 地元通学生のためのバスなのでICカードによる特例はできない、とゆーことですね。ならば仕方ない。この区間の被害は甚大で復旧の見通しは全く立っていませんが、再開を待つしかありません。

 現状でどういう経路があるのか。以下の通り考えてみました。

博多→<鹿児島本線>→久留米→<久大本線>→大分→<日豊本線>→城野→<日田彦山線>→田川後藤寺→<後藤寺線>→新飯塚→<筑豊本線>→折尾→<鹿児島本線>→香椎→<香椎線>→長者原→<笹栗線>→吉塚

 これでも445.5キロになります。JR九州の普通運賃だと幹線運賃でも7,770円に相当します。
 実際は日豊本線小倉-城野間・および鹿児島本線黒崎-折尾間が往復して乗れるので(後ほど各項目のレポートで解説します)、466.5キロ乗れることになります

 さてさてさて、では今から、160円で466.5キロの道のりへ、いってきま~す。


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